商品開発 消費者心理 編集部コラム

なぜタピオカドリンクは何時間も並ぶほど人気なのか?心理効果から分析

投稿日:2019年8月9日 更新日:

東京・大阪などの大都市だけではなく、地方都市に至るまで空前のタピオカブームが巻き起こっています。

今回は、タピオカドリンクの人気が沸騰している理由を、「SNS時代の消費者心理・心理効果」から分析しました。

 

現在進行中の第三次タピオカブームとは?

「LINEリサーチ」では、全国の15~24歳の男女を対象に「最近流行っているコト・モノ・ヒト」についてアンケート調査を行ったところ、2019年3月・6月の2回の調査でともに「タピオカ」が1位になりました。(※https://www.advertimes.com/20190729/article296312/ より)

企業のマーケティング担当者から見れば、どうすればこんな熱気のある大ブームを仕掛けられるのかと羨ましくなりますね。今回は、タピオカドリンクが人気の理由を、「SNS時代の消費者心理・心理効果」から分析していきます。

“インスタ映え+台湾旅行ブーム+中国茶人気”でタピる若者の増加が止まらない!

そもそもタピオカはこれまで、1992年と2008年に二度ブームが起こりました。
そして、2018年からの「第三次タピオカブーム」は過去のブーム以上に市場規模が大きく「タピ活」といって10~20代の女性が店に何時間も並んで買う異常な人気が続いています。
8月中旬からは、原宿駅前にて有名タピオカ店が集結するイベント「東京タピオカランド」も開催されます。

第三次タピオカブームの主力商品は「タピオカミルクティー」。
台湾でタピオカミルクティーを考案した元祖「春水堂(チュンスイタン)」が2013年に代官山に上陸して、タピオカドリンクの注目度が高まりました。

タピオカブームの火付け役「ゴンチャ(貢茶)」も台湾のカフェチェーンです。台湾は、2015年以降「近くて旅費が安い・親日・台湾グルメ人気」などの理由から人気の海外旅行先となり、日本旅行業協会(JATA)によると2018年にはハワイを抑え、夏休みの人気の海外旅行先の1位となっています(※http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=82378 より)
このような影響もあり、特に若年層では、タピオカドリンクを日常的に飲む人が増えています。

最近では、全国規模でタピオカ需要が急増したことを反映して、タリーズやドトール、ミスドの大手チェーン店もタピオカミルクティーやタピオカトッピングが導入されています。コーヒー人気は継続していますが、若者世代には「ブラックコーヒーが飲めない・甘い飲み物が好き・コーヒーに飽きてきた」という人も多く、タピオカミルクティーの人気が急上昇しています。

 

タピオカドリンクが人気の理由を4つの心理から分析

それでは、タピオカドリンクが人気の理由を「SNS時代の消費者心理・心理効果」から分析していきます。

1:膨大な数の写真がInstagramに投稿されるウィンザー効果

「インスタ映え」する見た目が可愛いタピオカドリンクはテレビや雑誌に広告を打たなくても、タピオカが大好きな若者たちが自発的にInstagramに毎日数え切れないくらいの写真をアップしてくれます。

タピオカドリンクは「透明容器の可愛いパッケージ」が人気です。「クリア(透明)+シンプルで可愛いデザイン」が今風の新しいセンスとして受け入れられやすくなっています。

特にT層(10代)・F1層(20~34歳の女性)は、Web検索よりもSNSに頼って情報を入手しているため、友人知人が「インスタ映えするタピオカドリンクの写真」をアップすれば、その口コミ効果は絶大です。

口コミは、「ウィンザー効果」という心理効果を生み出します。口コミは、「ウィンザー効果」は、第三者の褒め言葉・高評価のほうが信用されて影響力が高まるという効果です。
InstagramやTwitterなどSNSの第三者の投稿は、商品を売る会社の宣伝文句よりも効果を発揮しやすくなります。

 

2:タピオカ人気店に何時間も並ぶことによる心理的リアクタンスの効果

人気店のタピオカドリンクの需要は、「行列ができたり売り切れたりしてなかなか手に入れられないからもっと人気になる」という「希少性の価値」によって引き出されています。
人気店にはタピオカドリンクが欲しい人の長蛇の列ができていて、「いつでも購入できる自由・選択」が強く阻害されているので、その状態に対して「心理的リアクタンス」と呼ばれる反発が働くのです。

何時間も並ばないと買えない有名店のタピオカドリンクの状況は、普通はマイナスに作用するのですが、「希少性の価値+心理的リアクタンス」によって品薄で並ばないと買えないからこそ、何とかして買いたいという心理的リアクタンス(心理的反発)が起こりやすいのです。

 

3:みんなが買うから自分も買いたくなるバンドワゴン効果

タピオカドリンクがブームになった大きな理由として、SNSにタピオカミルクティーの写真をアップして「#タピオカ中毒, #タピる」などのタグをつける人が急増し、「タピる」が「2018年度のJC・JKの流行語大賞」に選ばれたことがあります。

特に、インスタ大好きな10代の若い女性層では、「タピった経験がない」のは論外、「タピりたい気分」にならないと仲間意識を共有しづらいくらいのブームになっています。

ここまで人気になると、流行に乗ってみんなが飲んでいるから、自分も飲みたくなる「バンドワゴン効果」が強く働きます。

大勢の人がタピオカドリンクを求めて行列を作り、それを飲んで「美味しくて最高・可愛い」と高評価をしているからこそ、自分自身のタピオカドリンクに対する満足度もアップするのです。

 

4:カスタマイズしたカラフルなタピオカドリンクは「コト消費(体験型消費)」の満足度が高い

タピオカドリンクの人気につながった大きな特徴として、「ミルクティー・抹茶ラテ・ほうじ茶ラテ・フルーツジュース」などベースを選べたり、「黒糖タピオカ・生タピオカ・カラフルタピオカ・フレーバータピオカ」などタピオカの種類を選べたりする「カスタマイズ」があります。

カスタマイズすることで、「自分だけのオリジナルなタピオカドリンク」を選んで作る「イケア効果」の愛着が得られ、単なる「モノ消費」を超えた「コト消費」の満足度が高まるのです。タピオカドリンクや友達と一緒に「インスタのストーリー」で動画を公開する若者が多いことも、タピオカが体験型のコト消費として楽しまれている現れです。

 

タピオカブームの心理効果・消費者心理をマーケティングに活用しよう!

タピオカブームに働いている消費者心理の中心にあるのは、「SNSを介した承認欲求・コト消費の欲求・同調心理」ですから、「思わず写真・動画を撮りたくなる見栄えの良い商品・サービスの企画開発」がマーケティングに役立ちます。
また、「モノ消費だけではないコト消費(体験型消費)の満足度」がポイントで、買った後に話題を共有できる商品・サービスの改良を常に意識してみて下さい。

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

宮田 あゆみ(株式会社インフォデックス)

beehave編集部
2017年 株式会社インフォデックス入社。
beehaveの編集部として企画・ライティング・ディレクション・SNS運用を担当。

-商品開発, 消費者心理, 編集部コラム

Copyright© beehave , 2019 All Rights Reserved.