クリエイティブ 編集部コラム

広告代理店の営業がコンペで沢山負けて気づいた「勝てる」企画のつくり方

投稿日:2020年1月20日

 

「コンペで負けた」「自分の企画が採用されなかった」

広告代理店や制作会社で働いている方の多くは、こうした苦い経験をしていることでしょう。自分の考えが否定されるのは辛いもの。しかしそれ以上に、チームで手掛けた企画が選ばれず、世の中に出ないことはもっと辛い…。

私も広告代理店の営業という立場から、こうした失敗を沢山してきました。(今も時々やらかしてます↓)

このページでは、そんな私が企画立案にあたり基本方針としている考え方について紹介します。

 

結論から言います。
それは「ターゲットの多くを想定し、正しく絞る」ということです。

 

なぜ、その様な考えに至ったのか…について、少しでも気になった方は続きを読んでください。

 

どんなB to Cコミュニケーションも、突き詰めれば企業の「売りたい!」に繋がっている

ところで、企画提案を行う上で抑えるべきポイントって沢山ありますよね。
広告主の予算・納期といったフィジビリティ、KPI、ブランド戦略、更にはタレントやキャラクターといった肖像の取り扱い等、与件により様々です。

ですが、案件規模や業界を問わず共通していることが1つあります。

それは 広告主は自社の商品やサービスを売りたくて、広告やプロモーションを実施しているということです。
この実施目的はダイレクトマーケティングだけに限りません。認知や好感を狙ったブランディング施策であっても、お詫び広告であっても最終的には販売へ結びつけることを狙い、私たちの広告主はB to Cコミュニケーションを展開しています。

そう考えると、ダイレクトとかブランドといった括りは販売効果を期待する時間軸の違いであり、最終的な目的は一緒…という見方もできますよね。
ですので、いくらオリエン内容や担当者の好みを押さえていたとしても、販売(消費者が買う)という展望が無ければ、その企画が採用される可能性は低いでしょう。

 

 

選ばれるのは「売れる企画」ではなく「売れそうな企画」

では、私たちが対峙する広告主は本当に“売れる企画”を採用しているのでしょうか?

それは少し違います。なぜなら、「売れる」とは結果であり、事後的に生じるものだからです。
身も蓋もない言い方になっていますが、結局 広告主は「売れるかどうかわからない企画」の中から「自分たちが売れそうだ!」と思える1つを選ぶしかないのです。

しかし、この事実は広告の企画・提案をする側の人間にとって、非常に重要かつ汎用的なヒントとなります。
なぜなら広告主が提案内容を「売れそう」もしくは「売れなさそう」と仕訳する際の評価基準を把握していれば、受注確度を高めることができるのですから。

そしてこの判断基準こそが「(広告主の)ターゲットの多くを想定し、正しく絞られているか」であると私は考えています。
ここで示すターゲットとは、企業または商品(サービス)が提供できるベネフィットにより解決可能な「したい」を持った人たち…そんなところです。

なぜ最も重視する判断基準が商品でもなく、はたまたメディアでもなくターゲットなのか…。
それは彼ら(彼女ら)の態度変容における「量」と「質」が広告主の売上を左右するからです。「○○をしたい」と思っている人に、その手段として「商品を欲しい」と思わせることができれば人はそれを買い、広告主の売上に繋がるわけですから。

つまり、大半の広告施策において狙うべき態度変容とは【したい→ほしい】への気持ちの流れなのです。

 

 

 

「眼鏡を買いたい」と思うのはどんな時?

では、こうした気持ちの変化はどの様に起こるのでしょう?

例えば、あなたが眼鏡を買いたくなるシーンを想像してみてください。

「小さなものが見えづらい(≒ハッキリ見たい)」といった生活上の不便を感じた時、あなたは眼鏡を買いたくなりますか?
恐らく、そうはならないと思います。なぜなら「ハッキリ見たい」という欲求を満たす方法は眼鏡以外にも沢山あるからです。

コンタクト、ルーペ、サプリメント、レーシック手術など・・・消費者としての私たちは多くの選択肢を持っています。
そんな多くの選択肢を持った人に「眼鏡を欲しい」と思わせるには「眼鏡の購入が自分にとってベストの選択!」と理解させる必要がありますよね。

こうした気づきを与える言葉や表現こそターゲットにとって【したい→ほしい】への転換を促す情報になります。

 

 

 

「ターゲットの多くを想定し正しく絞る」の真意

しかし【したい→ほしい】を促す1つの言葉や表現が、誰にでも当てはまるわけではありません。
なぜなら「ハッキリ見たい」という共通の欲求であっても、そこに求める効果とコストのバランス、生活における優先順位、更には欲求を抱く経緯といった「ほしい」に至る判断材料が人それぞれ異なるからです。

“経緯も関係あるの?”そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。私は関係あると思います。

例えば「ハッキリ見たい」と思うに至った経緯が3つあったとします。

小さいものが見えなくて…

1|勉強の効率が落ちてきた → 勉強効率を上げたい
2|試合(スポーツ)で力が出せなかった → 試合でのパフォーマンスを上げたい
3|「眉間にシワが寄っている」と言われた → 印象を改善したい

きっと1~3で眼鏡を欲しくなる条件は少しずつ変わってきますよね。
こうした消費者が抱く「したい」と、商品特長の組み合わせを多角的に考えること。その上で、商品購入に繋がりやすいターゲット像を洗い出し、ボリュームと効率の観点から優先順位をつけることこそ、私が企画提案において大切にしている「多くを想定し正しく絞る」という工程です。

この工程を論理的に実行できている時、その企画には「売れそう」といった読後感が付加されていることでしょう。

今回は少し概念的なお話になりますが、もし、あなたの企画・提案業務において、役立つ点があれば、参考にしていただければと思います。

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

大森 直樹(株式会社インフォデックス)

総合広告代理店での勤務を経て、2017年株式会社インフォデックスに入社。
クリエイティブ領域から顧客課題と向き合い、数々のデジタルコミュニケーション施策に貢献。”データ×ユーザーインサイト”を起点としたデジタルクリエイティブの方針立案が得意。

-クリエイティブ, 編集部コラム

Copyright© beehave , 2020 All Rights Reserved.