今回は、「グレー」が人間に与える心理効果を紹介したいと思います。
グレーは白と黒の両方の性質を持っている色で、落ち着いた印象を与える効果があります。やや地味な印象を受ける色でもありますが、都会的でハイセンス、上品で洗練されたイメージもあります。
広告の領域においてはメインカラーを引き立てる場合や、補色の間に使ってギャップを緩和させるなど使い勝手の良い色です。
グレーそのものが与える効果として「クール」「スタイリッシュ」などのイメージを与えることができるため、高級品や男性向けの商品などの広告で活用することができます。
グレーが好きな人の傾向
ストイックな性格で譲らない精神を持つ
グレーには、落ち着いた信頼感を与えるという効果があります。
グレーを好む人は一見、地味で控えめな印象を受けますが、その内面には秘めた不屈の精神を持っています。
自分を強く律するストイックさがありますが、時にはそれが行き過ぎてしまうと「頑固」という印象を与えることになります。
どちらかというと社交性があるタイプではなく、自身の心の内面と向き合う性質を持っています。人と接するのは得意ではないでしょう。
仕事の面ではその頑固さや、規律の正しさを活かせる職業に向きます。弁護士、裁判官などの法律などの仕事は適職であり、警察官、医師、税理士などもいいでしょう。
地道な仕事をコツコツとこなすことができるためシステムエンジニアなどのシステム関係なども向いています。
組織においては、目立たないが真面目に成果を出すタイプです。非常に慎重に決断をするため、大きな失敗をする可能性が低く、いつの間にか出世しているという存在です。
グレーが人間に与える心理効果
「グレー」の効果
グレーが持つ力として、苛立ちや疲れなどのストレスを和らげる効果があります。
例えば室内のインテリア計画では、「モダン」なカラーとしてグレーが使われることが多く、室内をハイセンスに演出し、リラックス効果もあります。
広告領域での「グレー」の効果
主役にもわき役にもなれる万能色
グレーは主役にも脇役にもなれる「万能色」であり、広告でも重要なカラーです。
ブルーなどの寒色系の色と合わせるとスマートで引き締まった印象になり、オレンジなどの暖色系の色と合わせると落ち着いた印象になります。
グレーをメインにコーポレートカラーで使う場合には、企業のイメージに上品さを与えてくれます。
アクセントカラーで他の色を組み合わせることでその企業のメッセージ性をより強い信念とともに伝えことができるでしょう。
日本では江戸時代にこの色が大流行しており、微妙な色の違いによりグレー系統の和名がたくさん生まれました。日本の伝統色として好まれ、日本人は「粋な色」として認識されています。
「グレー」を活用したWebバナー・Webサイト例
グレーは、単色で使用することではやや印象が薄いかもしれませんが、他の色と組み合わせることでその持ち味を活かすことができます。
どんな色とでも調和できるのは無彩色の大きな特徴でもあります。ここではグレーを中心に配置したWebクリエイティブの例を見ていきましょう。
TOYOTA(WHAT WOWS YOU.)
「この世界のすべての心にWOWをつくろう。」というプロジェクトのメッセージバナーです。
イチローが強い精神力の持ち主であることは世界的にも知られています。不屈の精神や挑戦を通じて感動を与える「スポーツ」の素材としては最適なマッチングです。
写真をあえてグレーにすることで、イチローの眼差から意志の強さを感じさせることに成功しています。
ALL INTERNET
Webコンサルティング会社のバナーです。グレーの背景に、男性のスーツ、ネクタイもグレーにして統一感を出しています。「インターネットに関わることはすべて任せていい」という信頼感を与えてくれるカラーです。
SONY(wena)
SONYのハイブリッド型スマートウォッチ、wena wristのバナーは、グレーの背景に商品を合わせることで高級感を感じさせる仕上がりになっています。
スマートフォンと連動させるなどの未来を感じさせる機能を写真だけで伝え、文字は最小限でおさめられています。
赤をアクセントカラーで配置させ、全体的にもまとまりを感じさせます。
FUWA
岐阜県不破郡垂井町で生まれたブランドのWebクリエイティブです。
「不破」という地名の決して破れないという意味をそのままブランド名にし、その職人の意志や普遍的なデザインの洗練さを感じさせています。
グレーを全面的に配置することでその企業のイメージを上手く表現できた高級感のある仕上がりになっています。
BE PROUD
歯科界にマーケットを絞ったホームページ作成、経営コンサルティングを行っているBE PROUDのWebクリエイティブです。
グレーをベースに水墨画で描かれた戦国武将を素材として配置しており、華やかではないのに、鮮烈な印象を与える作品になっています。その意志の強さと力強さが全面的に押し出されています。
メンバーの写真などもモノクロで配置されており、その統一感や世界観を感じることができます。