Web広告のバナークリエイティブでどんなキャッチコピーがターゲットに刺さるかわからず苦戦していませんか?
今回は、マーケティングファネルをもとに、ターゲットの購買プロセスに合わせた「刺さるキャッチコピー」の考え方を解説します。
1、潜在層向け「刺さるキャッチコピー」の考え方
潜在層向けキャッチコピー作成のコツ
潜在層に対するキャッチコピーのコツは、できるだけ多くのターゲットに「これは自分に関係のあるコンテンツ(宣伝広告)かもしれない」と認知してもらうことです。
潜在層へのアプローチ
ファネルマーケティングの導入部分となる「潜在層」は、商品に対する顧客ニーズ・興味関心・知識の有無は不明です。
ターゲット層への「認知の拡大」を目的にし、YouTubeやFacebookなど数億人以上のユーザー数を抱えるソーシャルメディアへの出稿でできるだけ多くの人の目・耳に触れるような「タッチポイント」をつくっていきます。
潜在層向けのキャッチコピーに使える心理効果
●カクテルパーティー効果
カクテルパーティー効果とは、「人は自分に関係があると思う情報(興味があると感じた情報)を選択的に認知しようとする」心理効果です。潜在層がまずは立ち止まってくれるよういなコピーを作るために使えます。
例:スーツ量販店
「新入社員になる皆さんへ特別価格でご提供!」
例:コミュニケーション系のビジネス本
「部下とのコミュニケーションに悩む中間管理職の方必読!」
ターゲットの性別や年代といったデモグラフィックや「新入生(新入社員)」といったライフステージ、「中間管理職」といった役職など、役割や肩書に働きかけることで「自分自身に呼びかけていると思う」ようになります。ただ安売りを宣伝したり、いきなり商品の特徴を羅列したりはせずに、まずは潜在層が立ち止まってくれるよう「呼びかける」コピーにすることがポイントです。
2、準顕在層向け「刺さるキャッチコピー」の考え方
準顕在層向けキャッチコピー作成のコツ
準顕在層に対するキャッチコピーは、「大まかな顧客ニーズの存在」を前提に「自社商品が準顕在層のターゲットに合っていること」を分かりやすく伝えます。
準顕在層へのアプローチ
「準顕在層」は「一定の顧客ニーズ・興味は存在しているが、自社商品の検討段階にまでは至っていない層」です。
「自社のウェブサイトにアクセスするだけの興味・ニーズ」は持っていますが「自社商品を選んで実際に購入を検討する段階」にまではなっていません。
そのためターゲットの「興味・ニーズ」へのアプローチを行いやすい、リスティング広告やYDN、GDNといったアドネットワーク、SNS広告(Facebook、Twitter)、DSPの利用などで商品が「ターゲットにマッチしている」ことを示唆していきます。
準顕在層向けのキャッチコピーに使える心理効果
●バーナム効果
「バーナム効果」とは「大勢の人に当てはまるようなコピーやライティングでも、見込み客がこの商品・サービスは自分に当てはまると思ってしまう効果」です。準顕在層に対して「この商品は自分の悩み・問題のニーズにも当てはまる」と思ってもらえます。
例:高齢者のロコモ改善のサプリメント
「家を出てすぐに関節・腰が痛くなってしまうあなたへ」
●カリギュラ効果
「禁止されると逆に興味・関心が強まってやりたくなる」という「カリギュラ効果」も、準顕在層のニーズや悩みにアプローチして「商品の購入検討」に導きやすくなります。
例:婚活サイト
「真剣に結婚したい人以外の登録はお断り」
例:ダイエット商品
「本気で痩せる気がないならお引き取りください」
3、顕在層向け「刺さるキャッチコピー」の考え方
顕在層向けキャッチコピー作成のコツ
「自社商品の価値と強みを適切に伝える」ことで、比較・検討の結果、購入(コンバージョン)に結びつく可能性が高くなります。
顕在層へのアプローチ方法
「顕在層」とは、「自社商品に関する知識・情報を持ち、他社商品も含めた比較・検討の段階に入っている層」です。
主にリマーケティング・リターゲティング広告を使うときは、「機能・性質・実績・デザイン」など他社製品と差異を伝えるキャッチコピーで「他社商品よりも良い」と思わせたり、「お得感・特別感のある訴求」で、「いま買う理由がある」と思わせたりできれば購入へ至ります。
顕在層向けのキャッチコピーに使える心理効果
「顕在層」に対しては、自社商品の価値と強みを適切に伝え、「購入(コンバージョン)の後押し」につながるコピーのアイデアを考える必要があります。そこで使えるのが以下の心理効果です。
●希少性の原理(希少価値)
手に入りづらい状態を作ることで、それに抵抗する心理が働き購買欲求が強化される効果。
例:「先着1000名様のみ、今年限定のオリジナルグッズの入った福袋を販売!」「売り切れ御免で話題の商品が再入荷!」
●社会的証明
周囲の人たち(多数派)の選択に影響を受けて行動する「社会的証明(バンドワゴン効果)
例:「購入者の95%にご満足いただいています」、「2019年ベストコスメ ランキング1位」
●選択肢を提示する
「ダブルバインド効果」という「矛盾した二つのメッセージに応答させることで、NOと言えなくなる心理効果」を応用して、ターゲットの心理を「買うor買わない」ではなく「どちらを買うか」にシフトさせます。
例:アパレル
「今年のコートは、上品なブラックダウン?お洒落なチェックコート?」
例:旅行
「飛行機で快適な旅or豪華客船で優雅な旅 あなたはどっち?」
まとめ
今回はファネルを用いて、購買に至るまでの心理プロセスに合わせて「刺さるキャッチコピー」の考え方を解説しました。広告クリエイティブの企画の参考になれば幸いです。