広告・デザイン 消費者心理

文脈効果とは|人はシチュエーションに左右される心理を解説

投稿日:2019年9月8日 更新日:

他社の類似商材が飛ぶように売れているのに、自社の商材だけはなぜか思うように売れない…
そんな悩みを抱えているマーケティング担当者はいませんか?

商品そのものの価値・需要には問題がないのに売上が伸びないという時こそ、
「文脈効果」を活用してみる絶好のチャンス。顧客が感じる主観的な商品の価値をぐんと高めてくれます。

「文脈効果」とは何か?

「文脈効果(Context Effect)」とは、「対象となる商品・サービスの顧客にとっての価値が、前後の状況・環境・情報によって変化する心理効果」を意味しています。

「文脈効果」の「文脈(コンテキスト)」は、元々は「文章における前後の意味の流れ・つながり」を意味していましたが、マーケティング分野の文脈効果では「商品・サービスを取り巻く周辺(前後)のシチュエーション・情報・環境」を意味しています。

マーケティング・広告における文脈効果は、「顧客にとっての商品・サービスの価値は商品・サービスそのものだけでは決まらず、周辺(前後)の状況・情報を踏まえた見せ方が大切になること」を示唆しています。

1本500円のりんご飴やイカ焼きは普通のお店で売っても高すぎて一本も売れません。
しかし「歴史のある賑やかなお祭り+雰囲気のある屋台」というシチュエーションさえあれば簡単に売れていきます……これが文脈効果の凄さです。

「文脈効果」の由来

「文脈効果」の由来は、アメリカの心理学者ジェローム・ブルーナー(Jerome Bruner, 1915年~2016年)が、1955年に“Journal of General Psychology”で提唱した認知心理学の心理効果にあります。

ブルーナーの「文脈効果」は数字・文字の知覚に関するもので、前後の情報によってその数字・文字の見え方が変わることを実証したものでした。
その後、「文脈効果」は「言語・文章・数字の知覚や認識の変化」だけではなく、「前後の文脈・情報による商品の見え方や顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)の変化」というマーケティング理論にも応用されるようになったのです。

 

文脈効果を広告に活用するポイント

商品・サービスの価値を引き立ててくれる前後の状況・情報を付け加えよう!

「文脈効果」とは「品質・内容が良いはずなのに商材が売れない」ときにこそ効果的です。

「文脈効果」を広告に活かしたいのであれば、「自社商品を単独で紹介する広告」ではなく「自社商品の価値を高めてくれそうな周辺情報・使用状況を盛り込んだ広告」をイメージすることがポイントになります。

例えば、「最高に美味しいビール」より「夏の猛暑で乾いた喉に快感」のコピーの方が文脈効果は高まり、「長い年月をかけ、富士の自然に磨かれたおいしい水」と謳えば普通のミネラルウォーターよりも売れ行きが良くなるのです。

 

「文脈効果」のマーケティング・ビジネス・広告の具体例・活用例

(1)マーケティング・ビジネスにおける「文脈効果」活用例

例1:スターバックスのフラペチーノ販売 ~インスタ映え・オシャレ空間・フレンドリー接客の文脈~

大手カフェ・スターバックスの季節限定のフラペチーノは毎回行列ができるほど大量に売れますが、このフラペチーノは1杯約500~700円で飲み物としては高額です。

しかし、スタバのフラペチーノはオシャレ空間で「インスタ映え」する写真を撮りやすく、フレンドリー接客のサービス水準が高くて居心地の良い時間を過ごせる文脈効果があるので高くても売れるのです。

 

例2:TDLなどテーマパーク内の飲食物 ~特別なイベント・連休の解放感の文脈~

東京ディズニーランド(TDL)やユニバーサルスタジオジャパン(USJ)といったテーマパーク内ではドリンクは約500円、フードは簡単なホットドッグでも約1000円と外の世界と比べて高くなっています。

TDLなどのテーマパークには「連休に家族・恋人・友達と行く特別なハレのイベントという強力な文脈」があるので、ほとんど価格を気にせずに高い飲食物を購入してくれるのです。

TDLのような特別な施設でなくても「地域のお祭り・趣味のイベント・お土産屋さん(物産展)」という文脈で飲食物・グッズを売れば、文脈効果で市場価格よりもかなり高い値段で売れます。

 

例3:ビジネスホテルの有料のテレビ ~部屋でくつろぐ時の文脈~

自宅のテレビ視聴は無料なのが当たり前ですが、ビジネスホテルでは1日当たり1000円以上のテレビ視聴カード(ケーブルテレビ番組含め)を販売している所も多くあります。

仕事を終えて自宅に帰ったら、お酒を飲んでおつまみを食べながらテレビを見る生活習慣があるビジネスパーソンは今も多いので、「部屋でくつろぐ時の定番の文脈=流れ」によって有料でもテレビを見てくれる宿泊客は多いのです。

 

(2)広告コピーにおける「文脈効果」

例1:経験豊富な大人だからこそクラシコイタリアなスーツ

スーツ好きな人なら、高級スーツの二大生産地として「フォーマルな高級感・格式を極めた英国スーツのイメージ」と「高級感のあるキレイめカジュアルのイタリアスーツのイメージ」を持っています。

特にクラシコイタリアは「高級感と着崩しの遊び心を融合させたスーツの代名詞」で、社会人としても男としても経験を積んだ大人の文脈において、高い付加価値を生み出すのです。

 

例2:北海道の大自然が育んだ新鮮な魚介類(無農薬野菜)をお届け!

「北海道物産展」と銘打って北海道のお土産や地元の農産品・食材・海鮮弁当などを売れば、他のどの地域の物産展よりも売上は良くなります。
「北海道の大自然」という文脈(周辺情報)は、「新鮮な美味しい魚介類(ウニ・いくら・鮭など)・野菜・果物」をイメージさせる文脈効果が非常に強いからです。

 

例3:大好きな人にいつまでも愛される貴女に!

エステサロンの広告として、ただ「エステで今までよりも綺麗な貴女になれる」というよりも、「大好きな人にずっと愛してもらえる見た目・触り心地の貴女になれる」という文脈・情報を活用した方が、エステ利用者に響きやすくなります。

 

商品の価値を「文脈効果」で高めよう

「文脈効果」とは、商品・サービスの価値はそのものだけでは決まらず、商品・サービスが置かれている「周囲の状況・関連情報」によって大きく変わってくるという心理現象です。

「コンビニコーヒー」には1杯100円程度の価値しかないと感じますが、バリスタが丁寧に淹れてくれる文脈を持つ「カフェのコーヒー」なら1杯300円以上でも売れるのです。

広告コピー・ビジネスに、自社商品の価値を高めて売れやすくする「文脈効果」を積極的に取り入れてみませんか?

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

宮田 あゆみ(株式会社インフォデックス)

beehave編集部
2017年 株式会社インフォデックス入社。
beehaveの編集部として企画・ライティング・ディレクション・SNS運用を担当。

-広告・デザイン, 消費者心理

Copyright© beehave , 2019 All Rights Reserved.