今回は、「ブラウン」が人間に与える心理効果を紹介したいと思います。
地味な印象を与えるブラウンですが、その効果を知ることで重要な役割を果たしてくれます。
ブラウンは木や土、大地などの自然を感じさせる色です。そのため、緊張を緩和し安定しているという印象を与えてくれます。やや大人のイメージを持っており、伝統や歴史を感じさせる効果がある色です。
広告の領域においては「シック」「モダン」「アンティーク」というイメージを持たせることのできる色で、落ち着いていて安定した雰囲気をつくることができます。
ビビットやディープなトーンの色との相性が良く、洗練された印象をつくることが可能ですので、高級品や長く愛用できる商品に活用することでその効果を発揮できるでしょう。
ブラウンが好きな人の傾向
温かみがあり落ち着いた性格
ブラウンは大地の色であり、大きなパワーと安定感を感じることができます。
ブラウンを好む人は、物事をがっしり受け止め、動じないという強さを持っています。社会でも信頼される存在であり、頼れる品格と人間性を備えています。
また、危険を回避する知恵があり、秩序を保とうとする堅実な人間です。
自分のことを他人に伝えることがやや苦手で、手を使う器用な仕事に向いています。農業、園芸、喫茶店、職人などの寡黙ではあるものの、しっかりとした技術を持った職業に向いています。スタミナも忍耐もあり、仕事を愛することができます。
組織においては、派手さはないものの誠実で働き者という存在でしょう。長期間にわたって1つのことを成し遂げるという偉業を達成できるタイプです。
ブラウンが人間に与える心理効果
「ブラウン」の効果
ブラウンは大地を感じさせるアースカラーです。木造住宅や木のフローリングを見た時には非常に落ち着いた気持ちになります。さまざまな癒しのスペースなどには必ずといっていいほどブラウンが利用されています。
仕事上でもブラウンは効率を上げる効果があり、地道な作業などをするときには、着実に進める力を与えてくれます。
重要な決定などをする場所などに配置するのも効果的です。国会もブラウンで統一された室内で討議を行いますよね。
広告領域での「ブラウン」の効果
高級感、安定感、伝統を伝える
ブラウンは冒険心を抑制し、伝統と歴史、安定感とつながりを与える色です。
そのため、そのような印象を与えたい広告にとっては最適な効果を発揮できます。
補色のダークブルー系と相性が良く、組み合わせることで大人らしい高級感を演出できます。
また、同じアースカラーでもある緑とも相性も抜群です。安定した優しさを与えることができます。
ブラウンを単色で使うとやや老けた印象を与えてしまいますが、他の色と組み合わせることでその中間色として広告に安定感と統一感を与えてくれます。
「ブラウン」を活用しているWebバナー・Webサイト例
ブラウンは暖色系であり、日常的にも人が見慣れている色です。そのため、どうしても単色で広告に使う場合にはインパクトが弱いのですが、他の色との組み合わせでさまざまな効果を与えてくれる研究しがいのある色です。
コカ・コーラ(コカ・コーラ コーヒープラス)
コカ・コーラとコーヒーという一見ミスマッチにも感じる組み合わせの商品です。
仕事中や休憩時の気分転換などで飲む大人をマーケットとした飲料であり、広告も大人向けに仕上がっています。
ブラウンの背景とコーヒー豆、コカ・コーラの赤が食欲を刺激するカラーを使い、黄色のアクセントで「自販機限定」というプレミア感を演出しています。
ビズリーチ
ハイクラスな転職サイトとして飛びぬけたビズリーチは広告戦略も非常に上手です。
登録者にも登録手数料を払ってもらうなどの新しい試みを感じる会社です。このバナーは38歳というペルソナをしっかり想定してブラウンとブラックでその高級感を演出しています。写真もモデルからも自信に満ち溢れた印象を受けるバナーです。
JR(飛騨路)
岐阜県北部に位置する飛騨美濃地方にはレトロな街並みがあり、女子旅でも非常に人気のあるスポットです。
この作品ではブラウンでそのレトロさを表現しており、冬でも感じる暖かさを感じることができます。
浴衣で下呂温泉街を歩く楽しさを女性2人の後ろ姿で伝えることで、その旅の魅力を感じることのできるバナーです。
パティスリー和三郎
パティスリー和三郎は山梨県の古名屋ホテルに隣接する、伝統のあるパティスリーです。
店内もブラウンで配色され、アールデコの雰囲気があり現代のお洒落さと伝統を感じさせるWebクリエイティブです。
背景の彩色も見事で非常にセンスを感じることのできる作品です。「和」にこだわったカラーを採用し、落ち着きのある高級感を感じることができます。
Wendy's Japan
ブラウンは赤や黄色との相性が良く、暖色系は食欲を増進させるカラーでもあります。
Wendy's Japanの店内やWebクリエイティブではやや暗めのブラウンが採用されており、その食品の魅力を最大限に演出しています。
ファーストフードは日常的に使用する頻度の高い物でもあることからブラウンを使うことは最適であり、ややアメリカンレトロを感じさせる色合いになっています。