何かを判断したり決めたりする時、何を基準に判断していますか?
「利益や価値、便利」などのメリットによって判断すると思いますが、それらの損得勘定をするにあたっての基準が「準拠集団」からきていることをご存知ですか?
準拠集団とは?
準拠集団とは人の価値観、信念、態度、行動などに強い影響を与える集団のことを指します。具体的には家族、学校、職場、地域の知人・友人のグループ等が上げられます。
ただし、準拠集団となるのは、必ずしも所属する集団とは限りません。個人が過去に所属していた集団、これから所属する集団も準拠集団として影響を与えることがあります。
影響を与える集団とは?
集団といってもその規模、具体性もさまざまです。身近なところでは、家族は代表的な準拠集団と言えますね。育ってきた環境で、その人の価値観に大きく影響しますので「家族では当たり前だったのに世間では非常識」なんてことがまさに準拠集団からなる行動です。
他にも会社・同僚も準拠集団になりますし、世代や趣味といった括りでも準拠集団になり得ます。
準拠集団の例
スマホゲームの仲間
最近で言うと、スマホゲームはどうでしょう。
やらない人からすると「ゲームに何万円も考えられない」や「たかがデータに」など考えられない価値観であることでしょう。
しかし、プレイする集団から見たら「1万円でプレミアムのモンスターをゲットできて超お得!」や「食事代に5,000円使うならゲームに使う」なんて価値観で納得できてしまう方たちも多いのではないでしょうか。
販売店員のギャップ
例えば、デパートの紳士服売り場では、若い女性店員も働いています。
たいてい「お客様よくお似合いです」と言われますね。間違ってもお似合いになりませんねとは言わないですね。ただ、私服用ならまだしも、仕事用のスーツの購入を考えている時であれば、やはり同世代の男性店員に担当してもらい、意見がほしいのが本音ではないでしょうか。
人気のグッズやサービス、食べ物
ブームになっているグッズやサービスがメディアなどに取り上げられた時に「こんなのが流行ってるの」と思ったことありませんか?
これもブームや人気の回転が速い、若者文化の中で準拠集団が作り上げていることから発生していますね。
作っては消え、作っては消えを繰り返してます。そう考えると若者たちの準拠集団の依存は他の世代に比べると依存度が高いのかもしれませんね。
このように人の意思決定に大きな影響を与えるのが「準拠集団」の心理になります。
準拠集団を意識することの必要性
準拠集団を意識した、サービス訴求は意識をしないでも行っているところでもあると思います。30代の男性向けの商品であれば、それに向けたメッセージやパケージで展開していきますね。
準拠集団は特定の集団やグループに向けた帰属意識に訴えかけるのがポイントです。集団が商品の何を大切にしているか重要で、顧客が感じる価値の創造が必要になってきます。
価値を見出すまでの商品を知る経験や、安く買う経験など、商品を購入する際に体験するさまざまな経験を価値としています。それらを包括するプロセスや仕組み作りを行うのが大切です。
まとめ
特定の準拠集団対して、他の準拠集団の意見は通りにくい傾向があります。
最近ではInstagramに、カップルがキスをする記事を投稿するのがブームになりました。
「別れた後どうするの」と言った意見が多くみられましたが、そんなことは当人達も重々承知しているにも関わらず、多くのカップルが投稿しブームとなりました。同世代の女性からの反対の意見であたってもこのような準拠集団には通じません。
ここで大切なのは準拠集団の意見と意見のぶつけ合いをするのではなく、違う側面で準拠集団になれるところからアプローチを行うことです。
やり辛い上司がいたとして、飲み会で趣味の話がたまたまあった時に、お互いに釣りが趣味であることがわかった。それからは「釣り」という準拠集団の効果でやりやすくなるなんてことありますよね。スタイルに悩みがあり、高額なジムの申し込みに悩んでる際に、スレンダーなスタッフが「私も元々デブだった」とのストーリーを聞いたらどうでしょう。実際の写真で事実が確認できれば申し込みの後押しとしては十分ですね。
これらの違う側面から準拠集団としてつながりを持つことによって、より身近にそしてより信頼感が生まれます。
準拠集団を意識して行えることは多岐にありますので、活用してみてはいかがでしょうか。