人は他人の判断を頼りに行動してしまう傾向があります。これを「社会的証明の原理」と呼び、ビジネスではよく利用されています。
多数の企業がさまざまなシーンで活用し、キャッチコピーにも利用することもできるのです。では、どのように使うと効果的なのでしょうか?
社会的証明の原理とは?
「社会的証明の原理」とは社会心理学で使われる用語で、自分の判断よりも他人の判断を頼りに、その後の行動を決めてしまう心理を指します。
行列のできているお店を見ると、つい入ってしまう、大勢の人が購入している商品を見ると、つい自分も欲しくなってしまうという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。このように、他人の判断を優先してしまう心理のことを、社会的証明の原理と呼ぶのです。
大手企業のキャッチコピーにも利用されています
社会的証明の原理は、ビジネスでよく使われる心理効果です。キャッチコピーの作成にも利用可能で、大手企業の広告にもよく使われています。
「販売数100万部突破!」に隠された効果
Webマーケティングで社会的証明の原理を利用する場合、どのように使えば効果的なのでしょうか。ここでは、キャッチコピーを例に考えてみましょう。
ネット広告や各社のWebサイトを閲覧すると、商品の価格や紹介文に加え、キャッチコピーも掲載されています。そして、宣伝内容のなかには「販売数累計〇万部突破!」というように、売上総数をアピールしている商品も多いでしょう。
このようなキャッチコピーを見ると社会的証明の原理が働き、消費者は「みんなが購入しているから自分も購入したほうがよい」と思ってしまうのです。「販売数100万部突破!」のように、具体的な数字を入れているキャッチコピーはあらゆる商品ページでよく見かけます。
人が人を呼ぶ宣伝方法
大勢の人が購入しているというだけで、人はその商品に対して価値を感じてしまうものです。そのため、販売数や売上数のアピールはもちろんのこと、商品のレビューを掲載するという方法も効果的でしょう。数多くの商品レビューが寄せられていれば、それだけ多くの人に使われているという事実をアピールできます。
誇大広告は厳禁ですが、事実に基づいた宣伝ならば、社会的証明の原理を上手く使うことで売上アップを狙えるのです。まさに、人が人を呼ぶという表現が相応しいでしょう。
社会的証明の原理を使ったWebマーケティングの例
社会的証明の原理をキャッチコピーに活用している企業を、実際に見ていきましょう。ここでは、Webサイトの掲載例を紹介します。
童心社は『いないいないばあ』など、赤ちゃん向けの絵本で有名な企業です。『いないいないばあ』の紹介ページでは、社会的証明の原理が上手く使われています。
◆Webサイトで使われているキャッチコピー
- 日本で一番愛されています
- 発行部数日本一
- あかちゃんの毎日によりそう「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズは1,700万部突破!
「日本で一番愛されています」「発行部数日本一」というキャッチコピーからは、大勢の人が購入しているという事実が伝わります。言い方は違いますが、両方とも同じ意味合いを込めているのでしょう。また、「1,700万部突破」というキャッチコピーには、「具体的な数字」による効果も利用しています。
社会的証明の原理を使ったバナーデザイン例
※下記バナーデザインは、株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。
【例1:ゲームアプリ】
アプリのダウンロード回数は、何十万、何百万と数字も大きい場合が多いので、社会的証明として効果を発揮しやすいです。
ゲームの世界観を一番に訴求し、補助的に社会的証明をつかったコピーを使いました。
【例2:化粧品】
化粧品では、品質や効果が気になるところ。口コミサイトや雑誌のランキングなどの受賞歴があれば、掲載すると効果的です。さらに、30~40代など年齢を絞ることで、より具体的に誰に支持されているのかがわかり、同世代のターゲットの信頼を獲得することができます。
【例3:自動車保険】
信頼感が大事な、保険業界ですので、それを証明する数字があれば、メインで訴求すると効果的です。
カラーもブルーを基調に信頼感のあるイメージを醸成します。
消費者は大勢の判断を頼りにしてしまうもの
社会的証明の原理は、Webマーケティングにおいて至るところで活用されています。企業のWebサイト・ネット広告など、使いどころはさまざまです。よく見かける「販売数○万部突破!」という広告も、社会的証明の原理を活用していると考えられるでしょう。上手く使えば強力な武器になるテクニックだといえます。